スポットDCAは、マーチンゲール法をベースとしたスポット市場向けのポジション倍増手法です。その本質は、価格が下がるたびに購入量を増やし、買い増しを倍増で継続することにあります。つまり、価格が下落した際には損切りせず、あらかじめ決められた倍率(一般的に2倍)で購入量を増やして平均取得コストを下げ、市場が反発した際に損益分岐や利益確定を狙います。
初回購入数量をq0、初期価格をp0、購入数量の倍率をm(例:2)、価格変化率をr(下落後価格=前回価格×r、例:20%下落はr=0.8)とします。p0=100 USDT、初回購入数量が1単位(q0=1)、価格が20%下がるたび(r=0.8)に購入数量が倍増(m=2)するケースを想定します。以下は0回〜5回までの買い増し時の変化です。
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まとめ
スポットDCAは「短期的なボラティリティの後に反発が期待できる」資産において、損失を短期間で小幅な利益へ転換することができますが、極めて大きな資金力と高い精神的耐性が求められます。一度長期下落トレンドに巻き込まれると、資金が急激に減少するリスクがあります。「万能な手法」ではなく、あくまでひとつの「ツール」と捉え、運用に際しては最大買い増し回数や資金プールの上限を事前に明確化し、厳格なバックテストとリスク管理を行ってください。