AAVE、SEC調査終了も価格反発できない理由…技術的弱気シグナルがより強い

AAVEは最新の取引セッションで$148.19まで下落した。 SEC規制懸念の解消というポジティブな兆しが出たにもかかわらず、市場の反応は冷淡であり、現物と先物の両方とも弱気寄りに傾いている状況だ。好材料が価格を支えきれないということは、需給構造が思ったよりも弱いことを示すサインと解釈できる。

規制不確実性の緩和、しかし価格は反応できず

Aaveの創設者兼最高経営責任者(CEO)スタニ・クレチェフ(Stani Kulechov)はX(Twitter)で、米国証券取引委員会(SEC)の4年にわたる調査が終了したと公式に発表した。彼は「DeFiエコシステムは最近不当な規制圧力を受けてきた」と強調し、今や開発チームがブロックチェーン金融の未来をしっかりと築く環境が整ったと述べている。

中長期的には確かにポジティブ要因だ。規制のオーバーハング(overhang)が減少すれば、機関資本や大型ファンドも参入障壁を下げることができ、プロトコルは技術の高度化と採用拡大に専念できるからだ。しかしながら、現物市場の反応は鈍い。公式発表があった当日でもAAVEは3%以上下落した。良いニュースが上昇の牽引力にならなかったことは、より深い市場の弱さを示唆している。

先物市場のシグナル：新規資金流入よりもポジションの清算が多い

AAVEの現在の強気を裏付ける手掛かりを先物市場から見つけるのは難しいのが問題だ。バイナンス基準で未決済契約(OI)は$56.60M程度にとどまっており、これは年初の安値付近だ。OIが縮小しているということは、既存のロング・ショートポジションが一括整理されていることを意味する。

急激な上昇局面が現れるには、「新しい資金＋新しいレバレッジ」の流入が必要だが、現状はその逆の状況だ。市場の関心が薄れ、アクティブなポジションが抜けていく様子が見られる。これは技術的な反発の可能性を弱める重要な要素だ。

チャート上$179.27崩壊時に$160.51まで下落の可能性

テクニカル分析によると、AAVEは主要な抵抗ゾーンを突破できていない。12月10日の50日EMA(日次移動平均)の$198.64は、チャート上の重要な天井付近であり、下降チャネルの上限トレンドラインとも重なるポイントだったが、このゾーンを突破できず、むしろ売り圧力が強まった。

現在の価格$148.19を基準にしたテクニカルシナリオは以下の通りだ：

下落シナリオ (現在優勢)

• 日次サポートラインの$179.27まで追加調整の可能性
• $179.27の終値割れで週次サポートの$160.51まで下落拡大

反発シナリオ

• 50日EMAの$198.64回復が第一目標
• このゾーンを奪還できれば、「SEC調査終了の好材料が価格に正常に反映され始めた」と評価できる

モメンタム指標も初期弱気陣営

テクニカル指標の状況もAAVEの短期強気を裏付けていない。RSI(相対力指数)は47程度で中立線(50)以下にあり、MACDラインが収束しつつあり、弱気のクロスオーバーの可能性を高めている。推進力の弱まりが明確に現れている状況だ。

結論として、AAVEは規制リスク緩和という中期的なポジティブ要因はあるものの、先物流動性の減少、ポジションの清算、テクニカル抵抗の失敗が短期的には弱気圧力をより強くしている。反発を狙う投資家にとっては、$179.27の防衛ラインの確認が非常に重要なターンポイントとなるだろう。