取引所におけるイーサリアムの供給量、2015年以来の最低水準に急落

出典：ETHNews
元タイトル：Ethereum Supply on Exchanges Plunges to Lowest Level Since 2015
元リンク：https://www.ethnews.com/ethereum-supply-on-exchanges-plunges-to-lowest-level-since-2015/

イーサリアムの流動供給量が歴史的な低水準まで減少し、過去10年で最も重要な構造的変化の一つとなっています。

Glassnodeの最新データによると、現在すべてのETHのうち中央集権型取引所に残っているのはわずか8.7%です。これは2015年のイーサリアム立ち上げ以来、最も低い水準であり、資産の保管方法やエコシステム全体での利用方法に劇的な変化が起きていることを示しています。アナリストたちは、利用可能な供給量がこれほど急激に減少することは、市場の需要が再び高まり始めたときに決定的な要因となることが多いと指摘しています。

取引所のETH残高、30%以上からわずか8.7%へ

チャートは、取引所に保管されているイーサリアムの割合が複数年にわたって明確に減少していることを示しています。2017年の強気相場の直後、取引所残高は31%から32%付近でピークに達していました。

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2020年から2021年にかけては、25%から28%の間で高止まりしていました。しかし、2021年末頃からステーキング参加が増加し、ユーザーが資金をDeFiプロトコルやセルフカストディへ移す動きが強まったことで、明確な減少傾向が始まりました。2024年には、取引所に預けられているETHの割合はすでに15%を下回っていました。そして現在、この数字はさらに圧縮され、わずか8.7%となり、イーサリアム史上最低水準となっています。これにより、即座に売却可能なETHの量が大幅に削減されています。

この減少が市場にとって重要な理由

チャートは、イーサリアムの価格動向と取引所残高の減少を組み合わせて示しており、顕著な乖離が見られます。供給は、価格が横ばいの期間であっても、取引所から引き出され続けています。このような流動性の引き締まりは、オーダーブックが薄くなり、トレーダーが簡単にアクセスできるETHの量が減るため、市場にとって重要です。需要が再び戻ってきた際、売り手側の流動性が著しく減った市場は、より攻撃的な反応を示すことが多いです。アナリストたちは、この状況が価格変動を増幅させる可能性があると警告しており、とくに再積み上げの時期や急激な資金流入時に顕著になるとしています。

長期的な構造転換

Glassnodeのデータは、イーサリアムの供給ダイナミクスにおける大きな変革を浮き彫りにしています。ETHの増加分が、ステーキングコントラクトによる長期保管、DeFiプロトコルへのロック、レイヤー2ネットワークへの送金、または単純にプライベートウォレットでの保有へと移行しています。

これらの変化によって、トークンは流動供給プールから除外され、従来のサイクルにはなかった形で市場が再構築されています。取引所残高が10年来の低水準となった現在、イーサリアムは2026年に、史上屈指のタイトな供給構造で突入することになります。もし需要が加速すれば、流動ETHの入手困難化が、より強い価格反応を引き起こす強力な触媒となる可能性があります。