
累積とは、一定期間にわたる複数の増減を合計または差し引きした総計を指します。「これまでに合計でどれだけか?」という問いに答える指標です。投資領域では、累積リターン、累積基準価額(NAV)、累積取引量などが代表的です。暗号資産分野では、累積ステーキング報酬や累積取引回数も頻繁に使われます。
例として、ある資産が3日間で+2単位増加し、-1単位減少し、さらに+3単位増加した場合、3日間の累積リターンは+4単位となります。パーセンテージで表現する場合は、各日の損益を金額換算して合計するか、日次リターンを複利計算(毎日の利率を掛け合わせて1を引く)で算出します。計算方法は事前に統一しておくことが重要です。
投資における累積指標は主に、累積リターン、累積基準価額(NAV)、累積取引量の3つの場面で用いられます。累積リターンは複数の期間にわたる損益を合算して総合的な損益を示します。累積NAVは、配当や分割などを反映し、商品の運用開始からの全体的な成績を表します。累積取引量は、指定期間内に取引された数量または金額の総計です。
例:1,000単位を投資し、1日目に1%(+10単位)増加、2日目に0.5%(-5単位)減少した場合、2日間の累積リターンは+5単位となります。累積NAVの場合、ファンドのNAVが1.000から1.100に増加し、0.020の現金配当が支払われ、配当金を再投資した場合、累積NAVは1.120となります(計算例。必ず商品開示資料を確認してください)。
累積は単純に結果を合計して「合計でどれだけか」を示します。一方、複利は各期間の収益を再投資し、次回の利益計算時に元本が増加する仕組みです。両者は同時に使われることが多いですが、意味は異なります。
例:元本100単位で1期間目に10%、2期間目にさらに10%の利益が発生した場合。
要点として、累積は総合的な成果を表し、複利は計算方法を示します。全体の結果を確認するには累積、収益の増幅効果を把握するには複利を使います。
累積リターンの計算には、金額合算方式とリターン率乗算方式の2つが一般的です。
ステップ1:区間と計算方法を定めます。開始日と終了日を設定し、配当・手数料・利息・ファンディングレートなどを含めるかどうかを決め、通貨や単位を統一します。
ステップ2:金額合算方式。各期間の損益を共通単位に換算して合計し、累積損益を算出します。その後、初期投資額で割って累積リターン率を算出します。
ステップ3:リターン率乗算方式。各期間のリターン率を(1 + r1)(1 + r2)...と掛け合わせて1を引き、累積リターン率を求めます。資金の増減がある場合は、各取引を新たな起点とする資本加重方式などを用います。
ステップ4:異常値の確認。配当や手数料の二重計上を避け、マイナスリターンの扱いを統一し、公式開示と計算が一致しているか確認します。
累積基準価額(NAV)は、配当などの現金分配や分割・併合を調整した後の商品の総合的な成長を示す指標です。ファンドや資産運用商品、暗号資産運用で一般的に使用されます。単位NAVが現在価格のみを反映するのに対し、累積NAVは「運用開始から(分配込みで)どれだけ成長したか」を示します。
例:1.000からスタートし、NAVが1.100に上昇し、0.020の配当が支払われた場合、配当再投資とすると累積NAVは1.120となります。調整方法は機関ごとに異なる場合があるため、必ず商品資料を確認してください。
Web3や暗号資産市場では、累積指標は主に以下で利用されます:
ブロックエクスプローラー(例:Ethereumエクスプローラー)やダッシュボードでは、「累積」チャートに切り替えて長期的な傾向を可視化できます。
Gateでは複数のページで累積指標を確認でき、取引や資産運用の成果を振り返ることが可能です。
ステップ1:取引ペアの累積取引量を確認。現物取引ページでペアを選択し、出来高指標に切り替えて期間を設定すると、合計取引量と出来高バーがローソク足下部に表示されます。
ステップ2:資産運用商品の累積収益を確認。アカウント資産や資産運用ページで収益や取引明細を入力し、期間や商品でフィルターを設定すると、その期間の累積収益が集計されます。複利や分配がある場合は、「累積収益」か「調整後収益」かを必ず確認してください。
ステップ3:契約の累積実現損益を確認。契約取引または取引履歴ページでポジションや履歴注文で絞り込み、選択期間の実現損益合計を確認できます。手数料やファンディングレートも含めて詳細をエクスポート可能です。
ステップ4:指標の統一。レポート出力時は通貨(例:USDT)を統一し、手数料や配当の計上有無を明確にし、帳簿との不一致を防ぎます。
累積指標は期間や計算方法によって大きく影響されます。短期と長期で結果が大きく異なり、起点の違いで結論が逆転することもあります。また、累積リターンはパスリスク(ドローダウン=最大下落)を反映しないため、後の回復で大きな損失が見えにくくなります。
暗号資産市場では手数料やスリッページ、ファンディングレート、税金などが実際の累積結果に影響します。配当やエアドロップ、手数料の扱いもプラットフォームごとに異なり、累積NAVやリターンは商品間で単純比較できません。資本運用時は市場変動や清算リスクに注意し、「過去の累積」が「将来の結果」を保証しない点に留意してください。
累積は「これまでの合計」を示し、年率は異なる期間の結果を「1年あたり」に統一して比較します。ローリングリターンは、固定期間(例:直近30日)ごとに累積成果を繰り返し算出し、中短期の安定性を評価します。
活用例:累積は長期のパフォーマンス確認、年率は商品間の比較、ローリング指標は直近の成果や変動性評価に適しています。
累積は複数期間の変動を合計し、リターン・NAV・取引量などで広く利用されます。期間や計算方法を必ず統一し、必要に応じて「単純累積」と「複利」を区別してください。Web3や伝統的投資のいずれでも、累積指標は過去のパフォーマンス評価に有効ですが、将来を保証するものではありません。比較や判断には年率・ローリング指標も組み合わせ、手数料や分配、リスク開示に注意しましょう。
累積リターンは投資開始以降の総合的な利益を示し、単期間リターンは特定期間だけの成果を測定します。例:今年Q1で10%、Q2で5%の利益なら、累積リターンは約15.5%(複利計算)。Q4の単期間リターンが-2%となる場合もあります。Gateのポートフォリオ画面では両方を比較し、全体の成績と直近の動向を把握してください。
累積リターンがマイナスの場合、投資開始時より資産が減少している状態です。例:10,000単位を投資し、現在残高が9,500単位なら累積リターンは-5%です。慌てず、損失要因(市場変動やタイミング)を分析し、Gateの詳細取引履歴で戦略を見直しましょう。
主な要因は、計算開始日(上場日か購入日か)、手数料処理(管理・償還手数料の控除有無)、複利方式の違いです。Gateでは計算期間や手数料の扱いが明示されており、データの透明性と正確性が確保されています。
はい、通常です。市場のボラティリティにより、累積リターンは短期で大きく変動します。重要なのは短期の動きにとらわれず、6カ月や1年など長期的な傾向を評価することです。Gateのダッシュボードで期間を柔軟に調整し、リターンを合理的に評価できます。
全体では利益が出ていても、直近の市場下落で損失が発生している状態です。累積リターンは運用開始以降の総合的な進捗を示し、直近の損失はその一部です。例:3カ月で20%増加し、直近1カ月で5%下落した場合、累積はプラスですが月間ではマイナスです。Gateの「最近のリターン」と「累積リターン」表示を活用し、ポートフォリオ全体を把握しましょう。


